Tomoyuki Hirose Journal

#新卒で社会起業家に挑戦中

後進国並みの報道の自由度ランキング!ジャーナリズムの役割と、日本のメディアの欠陥を解説

ジャーナリズムとはなにか―――

 

この問いにすぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか?

 

それくらい日本ではジャーナリズムの概念が定着していないように感じます。

 

今日はジャーナリズムが果たす役割と、

日本のジャーナリズムが抱えている問題点を書いていきます。

 

 

報じられたくないものを報じるのがジャーナリズム

権力の番犬という考え方

「ジャーナリズムとは報じられたくない事を報じることだ。それ以外のものは広報に過ぎない」。

 

イギリスのジャーナリスト、ジョージ・オーウェルが残した言葉です。

 

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(引用GEORGEORWELLNOVWLS.COM)

 

マスコミや報道機関の社会的使命のひとつに「権力の監視」があります。

 

一般的には、権力を監視するジャーナリズムは「調査報道」と呼ばれ、

英語圏ではそれを「番犬(ウォッチドッグ)」に例えられています。

 

なぜ権力を監視する必要があるのか。

それは絶対的な権力は、絶対に腐敗するからです。

 

イギリスの政治家ジョン・アクトンは、

「権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対に腐敗する」という格言を残しています。

 

権力者が、その権力を乱用しないように、監視をする。

 

 

それがジャーナリズムの使命の一つです。

 

三権分立の民主主義国家に、第四の機構

 

日本は民主主義国家ですが、民主主義国家は一般的に三権分立を基礎原理としています。

 

司法、行政、立法に権力を分散させているのです。

しかしこれだけでは民主主義は守れません。

 

権力が健全なものであるためには、先ほども述べた通り、

 

国民の監視が必要なわけです。

 

だからこそ、ジャーナリズムが求められます。

実はメディアは民主主義にとって必要不可欠な要素なのです。

 

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日本のジャーナリズムが抱える欠陥

後進国並みの「報道の自由度ランキング」

 

まず日本のジャーナリズムの問題点を説明するには、

報道の自由度ランキングに触れる必要があります。

 

報道の自由度ランキングは、毎年国境なき記者団が出している調査で、

180国の報道の自由度を、「国家による記者への抑圧」、「透明性の確保」、「自主規制の有無」など、項目別に調査して点数化したものです。

 

日本のランクはここ数年70位前後を推移しています。

ちなみに昨年は72位、今年は67位です。

 

同じランクにどんな国があるかというと、

66位はエルサルバドル、68位はレソト。

聞きなじみのない国だと思いますが、事実70位以下は後進国が名を連ねています。

 

もともと世界的に低かったのではなく、

9年前の鳩山政権時代は11位と、世界でもトップクラスでした。

 

rsf.org

 

記者クラブ制度

 

ではなぜ日本の報道の自由度は低いのでしょうか?

その理由の一つに、「記者クラブ制度」があります。

 

記者クラブは政府や自治体、業界団体などを継続的に取材するために、

新聞社や通信社、テレビ局など大手メディアに所属する記者で構成される組織です。

 

記者クラブには、マスコミ関係者がみな加入できるのではなく、

大手マスコミの記者しか加盟できない。

 

そのため独立系メディアやフリージャーナリストは、

記者クラブに加盟することができず排除されます。

 

この制度が、報道の自由制限していると指摘されているのです。

www.youtube.com

政治家とメディアが仲良い国、日本

 

自由度の制限以外にも、問題は多くあります。

その一つが、メディアと政治家の近い関係です。

 

2016年1月30日、池上彰氏は朝日新聞に、

「首相動静 安倍氏は誰と食事した?」という記事を寄稿しています。

 

そこでは、読売新聞の1月22日付の「安倍首相の一日」欄に、

『東京・大手町読売新聞東京本社ビル。渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長・主筆、清原武彦産経新聞社 相談役、芹川洋一日本経済新聞社論説委員長らと会食」と書かれていたことに触れています。

 

 

そしてこの後、大手メディアの会長や社長と個別に宴席を囲む「社長懇」は慣例化しています。

 

権力の番犬である、大手メディアの要職者が、 日本の首相と食事をしているのです。

 

こんな状態で、政治家を厳しく監視することができるのでしょうか??

 

広告収入に頼らざるを得ないビジネスモデル

 

皆さんご存知のように、メディアの収益モデルは、「広告モデル」です。

 

テレビや新聞で掲載される広告によって、その収益を賄っています。

これはすなわち、視聴者の数がそのまま収益につながるということです。

 

そうすると、より話題を呼ぶ、目を引くものを扱うようになります。

その結果、芸能人の不倫やゴシップネタばかりを報じて、

本当に伝えなければいけない時事ネタをおろそかにしてしまうという構造になってしまうのです。

 

また広告料の大きな割合を占める企業があれば、

その企業にとって不利益なことは報じられなくなります。

 

アメリカのニューヨークタイムズでは、

1社が年間広告料の1%を超えてはいけないというルールもあるようです。

そのため、スポンサーが広告を止めても経営に打撃は与えません。

 

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ジャーナリズムに「自己責任」をぶつける国民

 

さらにそこに、国民のジャーナリズムへの「無理解」が加わります。

 

ジャーナリストが危険な現場に行くことに対して、

「自己責任だ」「国に迷惑をかけるなら、行くな」などの主張を良く目にします。

 

しかし、それは消防士に、家事の現場に行くな。

警察に危ないから犯人に近づくなといっているようなものです。

 

ジャーナリズムが社会においてどのような役割を果たしているのかを、

私たちは理解する必要があります。

 

またジャーナリズムの役割が理解されない状態ということは、

ジャーナリズムがお金にならない状態です。

 

事実新聞の購読者は年々減っています。

これでは、質の高い報道を保てなくなってしまいます。

 

またアメリカでは視聴者がお金を直接払うモデルを導入した、

独立系メディアが存在していますが、

日本では実現することが非常に困難といえるでしょう。

 

www.democracynow.org

 

 

社会を守るために欠かせないジャーナリズム。

 

私たちはジャーナリズムの役割を理解し、

世の流れを知る責任を果たしていくことが求められます。

 

(了)

 

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廣瀬 智之(ひろせ ともゆき)

社会問題の解決を他人任せにしない世界へ。#新卒で社会起業家 に挑戦中。元開発メディアganas記者。「日本の社会・政治参加意識を高めるメディア事業」立ち上げ中です。

 

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地球温暖化で30年後に沈む国?南太平洋に浮かぶ知られざる国「キリバス」を旅して

気候変動の影響により、30年後には住めなくなる―――

 

そんな予測もされている、南太平洋の小国があります。

 

キリバス共和国

 

2016年11月から12月の1か月にわたって、

僕はこの国を旅していました。

 

今回の記事では、

ほとんどの人が知らないであろう、キリバスについて、

実体験をもとに紹介したいと思います。

 

 

 

1.美しい自然

キリバスでの日々を思い返すと、

自然と海が頭に浮かびます。

 

それくらいキリバスでの生活は、

海に囲まれていました。

 

キリバスの首都タラワは、島が細長く、

右を見ても左を見ても海。

 

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首都タラワでも海がきれいだなと感じていたのですが、

離島のマラケイ島に行った際の海のきれいさは格別でした。

 

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子どもたちはその海で遊び、

大人たちは海から魚を獲る。

 

まさに海とともに生きている人たちでした。

 

 

またほとんど開発は進んでいないこともあり、

夜になるとあたりは真っ暗。

 

そのため星空のきれいさには本当に感動しました。

 

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2.他人を思いやる純朴さ

 

キリバスの人たちは本当に純朴という言葉がぴったりです。

少し恥ずかしがりやのため、フレンドリーに話しかけてくれるわけではありませんが、

 

関わった人のことを本当におもいやり、愛を与えてくれる人たちばかりでした。

 

キリバスでは、現地のことをよく知るためにホームステイをしたのですが、

その家族には特に優しくしてもらいました。

 

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そもそも今回ホームステイをした家族は、

日本人と結婚し、日本に暮らすとあるキリバス人女性の実家です。

 

その女性は私がホームステイしたいことを知ると、

快く家族に連絡をしてくれました。

 

そして1カ月の間、僕にひとつの部屋と、

温かいご飯を毎日出してくれました。 

 

そして最後には「お金は受け取らない」とかたくなに断られ、

まさに無償の愛で、私を受入れてくれたのです。

 

おもてなしの心がありすぎて、少し心配になることもありましたが、

それくらい他人を思いやることに長けている人たちでした。

3.日本人と似ている?

キリバスで過ごしていると、時たま「あれ日本人と似ているぞ」と感じることがあります。

 

少し恥ずかしがりやな性格

日本人はみんな英語を学んでいますよね?

ですが、英語を話すとなるとなかなか勇気がいります。

 

外国人の人を見かけても、間違いを気にして話せない人が多いのではないでしょうか?

 

実はそれ、キリバスも同じです。

 

みんな英語はわかっているけど、シャイな性格のため、

積極的に話しかけてはくれません。

 

キリバスの前にはフィジーにいたので、

オープンマインドなフィジー人との差に驚いたのを覚えています。

 

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生魚を食べる

 

キリバスでは日本と同じように、「刺身」を食べます。

 

地域の食堂に行けば「フィッシュライス」という、

マグロの赤身がのったご飯が出てきます。

 

さらには、スーパーにすしこ(酢飯を作る粉)まで売っていました。

 

それを使って一度マグロ寿司を家族に振舞ったのもいい思い出です。

 

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4.伝統衣装と踊り

 

キリバス人は踊るのが大好きです。

 

特にクリスマスのシーズンは、ボウタキと呼ばれる催し物があり、

みんなでご飯を食べて、踊ります。

 

踊るのは好きなのに、恥ずかしがり屋なので、

目は全然合わせてくれませんが。笑

 

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そして伝統舞踊をする際には、特別な衣装を身にまといます。

 

キリバスで有名な舞踊チームの「テキーナ・キリバス」の衣装を撮影させていただきました。

 

民族衣装好きにはたまらなかったです。

 

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5.気候変動の影響は?

 

実際に気候変動の影響はどのように出ているのかを取材しました。

 

現時点で、毎日のように浸水しているわけではありません。

 

ただ場所によっては海水が入ってくるようになった村もあり、

そういったところでは井戸水に海水が混じったり、

 

作物が育たなくなるといった被害が出始めています。

 

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詳しい取材はganasに寄稿していますので、

こちらの記事をお読みください。

 

www.ganas.or.jp

 

本日はここまで。

 

 

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ポルポト大量虐殺時代に後戻り?日本人の8億円がカンボジアの独裁化を推し進める

日本人からも人気の東南アジアの国、カンボジア。

 

学生団体でボランティアに行く人もいれば、

アンコールワットに観光に行く人も。

 

目的は違えど、カンボジアを好きな人たちはたくさんいます。

 

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そんなカンボジアで今、強権的な独裁化が進んでいることをご存知でしょうか?

 

 

圧勝した政権与党の裏側にあるもの

 

カンボジアで今年7月29日に実施された下院選挙で、

1985年以来政権を握るフンセン首相が率いる人民党が全125議席を独占し圧勝しました。

 

投票率は83%。

高い投票率の下で実施された今回の選挙は民意を表していると、フンセン首相は主張していますが、

 

今回の選挙の公正性に欧米諸国が疑問を投げかけています。

それもそのはずで、選挙を前にして最大野党であった救国党が最高裁によって解党されたのです。

 

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解党された最大野党

救国党は2013年の下院選で4割りを超える議席を獲得し、

過半数に迫る躍進を見せていました。

 

しかしながらフンセン首相が最高裁に、

「政府転覆計画に関与した」と訴え、それが認められたことによって、

救国党の解党が命じられました。

 

また党首であったケム・ソカ党首は、反逆罪で逮捕されました。

 

残る野党は与党と手を組むものか、支持が得られない小規模な党しかなく、

国民は与党に対する選択肢を失ったことになります。

 

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引用:https://www.huffingtonpost.jp

www.huffingtonpost.jp

ジャーナリズムへの弾圧

 

さらに与党が実施したのは、野党の解党だけではありません。

 

カンボジアにジャーナリズムを導いたとされる最も有名な英字新聞「Cambodia Daily」が、

 

約6億9,000万円の未払い税の支払いを政権に突き付けられ、廃刊に追い込まれました。

 

Cambodia Dailyはこれまでに政権に不都合な現場の取材を続け、それを発表してきました。

 

よって、これまでも政権に批判されてきましたが、

選挙に向けて、ついに廃刊に追い詰められてしまったのです。

 

さらにメディアへの弾圧はCambodia Dailyにとどまらず、

 

Radio Free Asiaというアメリカ資本のラジオ局も、

プノンペン支局を閉鎖に追い込まれました。

 

そしてRadio Free Asiaの報道を受けて流していた独立系のラジオ局15局以上が閉鎖に追い込まれる事態となっています。

 

市民も弾圧の対象に

 

2016年、政治評論家として有名であった、ケム・レイさんが暗殺される事件が起きました。

 

ケム・レイさんは政権が行う不正や弾圧の現状を発信し続けていました。

 

まさにカンボジア市民の声を代弁してくれる存在を失う形になってしまったのです。

 

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引用:https://asabe.jp/cambodia/cbdemocracy.htm

大量虐殺からの復興、作り上げられてきた「合法」な独裁体制

国民の3分の1が虐殺されたポルポト政権時代

カンボジアといえば、大量虐殺があったことでも知られています。

 

その時カンボジアのトップにいたのが、

ポル・ポトです。

 

ポル・ポトは原子共産主義という思想を持ち、

 

階級や格差の愛社会を実現するために、

原始時代のような社会を目指していました。

 

知識は格差を生むとされ、

多くの知識人は殺害されてしまいました。

 

知識人は徐々にエスカレート。

最終的には国民の3分の1にあたる200万人が虐殺されたとされています。

 

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(カンボジアにはいまだ多くの地雷や不発弾が埋まっている)

 

詳しくはこちら

 

www.tomoyukihirose.org

 

合法的に国を支配するための32人の幹部

 

国の基盤が壊されてしまったカンボジア。

ポルポト政権の後に政権のトップに立ったのが今のフンセン政権です。

 

フンセン首相が率いる人民党は32人の最高幹部といわれるメンバーがいます。

 

その幹部たちが、司法、警察、軍などの

主要機関のトップに立っています。

 

そのため人民党に有利な判決が出る状態を、

「合法的に」作り上げてきたということです。

 

こうした背景が、選挙での一連の出来事に関係しているとされています。

 

カンボジア選挙を支援する国、日本

8億円の無償資金協力

こうした状況を受け、欧米諸国は選挙に必要な資金や物資を提供する選挙支援停止を決定しました。

 

しかし日本は選挙支援をやめずに、8億円の無償資金協力を実施しました。

 

また日本製の投票箱を約1万1000個提供し、設置や回収に必要な車両も40台手配しました。

 

カンボジアの民意が反映されていないとわかっている選挙を、

私たちの国は支援したのです。

 

このことは、国際的にも問題視され、

ニューヨークの国連本部近くでカンボジア救国党の支持者らが、

日本政府に選挙支援をやめるようにデモをしました。

 

www.sankei.com

 

日本人のあなたができたこと

 

カンボジアがまた独裁国家体制に戻らないために、

私たちにできることは何だったのでしょうか?

 

こういった社会や政治に「もやもや」や「むかむか」を感じたときは、ぜひオンライン署名サイトchange.orgをのぞいてみてください。

 

今回の一件も、政府に届けるための署名を集めていました。

 

www.change.org

 

もう終了してしまったのが悔やまれますが、

今後とも日本政府はカンボジアの選挙支援を続けていくでしょう。

 

私たちが知らないところで、日本のお金はあらゆるところに使われています。

 

政府が何をしているのか、そして何をしようとしているのかを知り、

 

時には声を上げていくことが民主主義国家では必要です。

 

今回はここまで。

 

 

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カンボジアの平均年齢は25歳!数値の裏にある世紀の大虐殺~悪夢のポルポト政権~

世界遺産 アンコールワットが有名なカンボジア。

日本人にも人気が高く、学生団体や観光客など、多くの日本人がこの国に訪れています。

 

今回の記事ではカンボジアの悲しい歴史を紹介したいと思います。

世紀の大虐殺~悪夢のポルポト政権~

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 カンボジアの平均年齢は25歳

世界各国に関する情報を年鑑形式でまとめた

アメリカ合衆国中央情報局 (CIA) の年次刊行物である『The World Factbook』は

 

2015年現在のカンボジアの平均年齢を25歳と公表しています。

(男性 23.8歳 女性 25.2歳 合計 24.5歳)

 

 

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その数値の裏側にはある事件の存在があります。

 

 

 

http://www.flickr.com/photos/sandvand/505084828/

 

 

カンボジア共産主義勢力 クメール・ルージュ

ポルポト政権によるジェノサイド(大量虐殺)です。 

 

ポルポト政権による大量虐殺

 

1975年 アメリカの強力なバックアップを受けていたロン・ノル政権が敗れ

ポル・ポト政権が樹立しました。

 

 

ポル・ポトは共産主義の中でも特に過激な

原子共産主義という思想を持っていました。

 

原始共産主義とは階級や格差のない社会を理想とし、

 

まるで原始時代のような社会を目指す思想です。

 

http://dogma.at.webry.info/200802/article_2.html

(写真 ポル・ポト)

 

 

そのため知識は格差を生むとされ、

ポル・ポトは多くの知識人を殺害しました。

 

 

「医者、教師、技術者、学生だった者は名乗り出てほしい。国の再興には君たちの力が必要だ」

 

 

そんなことを国民に呼びかけ、名乗り出た知識人を殺害していったのです。

 

 

ポル・ポトによる知識人狩りはエスカレートし、

 

本を読んでいれば殺す

 

眼鏡をかけていれば殺す

 

手がきれいだから殺す

 

など、

 

 

虐殺された人の数は正確には明かされていませんが、

 

国民の3分の1とされる 

200万人にものぼると言われています。

  

またポル・ポト時代では、多くの子どもたちが社会的に重要な役割につきました。

 

ポル・ポトの思想の下で子どもたちは

過去の思想に染まっていない、原子共産主義をよく理解できる者とされていたからです。

 

 

兵士や医師など、

人の命がかかわる仕事に就いた子どもたちも少なくありません。

 

以下はポル・ポトによる指令署の有名な一部分です。

 

 

「我々は独自の世界を建設している。新しい理想郷を建設するのである。したがって伝統的な形をとる学校も、病院も要らない。貨幣も要らない。

 

たとえ親であっても社会の毒と思えば微笑んで殺せ。今住んでいるのは新しい故郷なのである。我々はこれより過去を切り捨てる。

 

泣いてはいけない。泣くのは今の生活を嫌がっているからだ。

 

笑ってはいけない。笑うのは昔の生活を懐かしんでいるからだ。」

 

 

このようなポル・ポト政権時代は1979年まで続きました。

 

 

当時虐殺の現場とされた300あまりの場所は

現在キリングフィールドと呼ばれ、足を運ぶことができます。

 

 

 

 決してカンボジアが特別なわけではなく、

私たちと同じ人間が行ったことです。

 

 

決して他人ごとではないと思います。

 

 

“ボランティアがしたい”

 

“どんなボランティアをしよう”

 

など、ボランティアという活動自体に興味を持つことも大切かもしれませんが、

 

 

“その国でなにがあったのか”

 

“なぜボランティアが必要なのか”

 

 

など、その国自体に目を向けることも欠かしてはならないと思います。

 

 

虐殺があったのも、つい35年ほど前のことです。

 

  

同じ歴史がどこかで繰り返さないためにも、

カンボジアの歴史から多くのことが学べるのではないでしょうか?

 

 今回はここまで。

 

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幸福度調査世界一常連のフィジーが幸せな6つの理由【動画あり】

世界幸福度調査で、世界一位を何度も獲得している

“超幸せ国家”があることを皆さんは知っていますか?

 

米調査会社ギャラップ・インターナショナルが毎年12月に実施している幸福度調査は、

 

調査対象者が、今の生活を「とても幸せ」「幸せ」「どちらでもない」「不幸せ」「とても不幸せ」の5段階で答えるもの。

 

その国は最新版調査でも世界一に輝いたばかり。

調査対象者の94%が幸せだと答え、不幸せと答えた人はたったの2%でした。

 

その国こそ、大洋州に位置する島国、「フィジー」です。

 

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なぜフィジーは世界で最も幸せな国とされるのでしょうか?

本記事では、その理由を筆者の調査と実体験をもとに、解説していきます。

 

 

100人に聞いて分かった、フィジー人の幸せの価値観

2016年、報道写真家の活動をしていた私は、

大洋州諸国の暮らし、文化に関心を持ち、

 

6月~1月までの8か月間、

フィジーを拠点に、キリバス、バヌアツといった国を取材していました。

 

その中でも最も関心を持っていたのが、

フィジー人の価値観。

 

それを追うために8カ月の間、

フィジー西部ナンディに暮らすキカウさん一家にお邪魔し、

1人の家族として生活をしていました。

 

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100人のフィジー人に街頭インタビュー

 

2016年11月。

フィジーの玄関口である西部ナンディで、100人のフィジー人に、

「What is your happiness?(あなたにとっての幸せとは?)」という調査を実施しました。

 

前情報を与えておきますと、ナンディはフィジーの中では、かなり発展しているエリアです。

 

国際空港があり、観光客がよく訪れることもあり、

マクドナルドやバーガーキングなどの外資企業も多くあります。

 

また郊外と比べ生活コストも高いエリアです。

 

そんな繁華街のナンディで調査を実施したところ、

回答にはとある共通点がありました。

 

www.youtube.com

フィジー人にとっての幸せは「人」

 

調査をした100人のフィジー人の内、

なんと61人の人の回答が「人」に関するものでした。

 

実際にあった回答は、家族(24票)、人付き合い(16票)、友達(14票)、新しい人との出会い(5票)、フィジー人であること(2票)。

 

そして驚くべきことに、

お金やモノに関する回答がひとつもありませんでした。

 

今回繁華街のナンディで調査をしたのには、とある理由がありました。

フィジーの郊外では、農業や漁業に従事する人が多く、

半自給自足的な暮らしを送っている人が多くいます。

 

暮らすことに比較的コストがかからない郊外で調査をしても、

お金やモノなどの回答は得られないことが予想できました。

 

よりリアルなフィジー人の価値観を知りたい。

そんな理由から本調査地をナンディにしたのですが、

それでも今回の結果が出たのは、非常に驚きました。

 

では「人」がフィジー人の幸せにどのような影響を与えているのでしょうか?

ここからは自分の実体験をもとに解説していきたいと思います。

 

フィジーが世界一幸せな6つの理由

1.モノを共有する「ケレケレ」という文化

 

とある日のことです。

 

朝起きて、身支度をしている時にことは起こりました。

日本から持ってきたヘアジェルをあけると、中身ががっぽりとなくなっているのです…!

 

「おかしい、昨日までまだパンパンに入っていたのに」

 

そこで私は一緒に暮らしているキカウ家族のママ、

ツポウさんに聞いてみることにしました。

 

「ツポウ、僕のヘアジェル知らない?」

 

 

するとそこには、髪の毛をてかてかにきめたツポウさんが立っていたのです。

 

「トモのヘアジェル、使っちゃったわよ♪」

 

「え!?なんで? あれ僕のって知ってるでしょ?」

 

「なんでって…いい臭いだったからよ♪」

 

「・・・。」

 

 

これはモノやお金を共有する「ケレケレ」という文化の一例です。

かつて国が貧しく、モノが少なかった頃に

住民間で助け合う文化が根付いたとされています(※諸説あり)

 

フィジーで暮らしている間に、

携帯電話や靴(サンダル)、傘、お菓子などたくさんのものをケレケレされました。

携帯電話に至っては、気がつけばツポウさんの弟のモノになっていたのだから驚きです。

 

持っている人が足りていない人に分け与える。

フィジー人はそうやって助け合って生きています。

 

幸福心理学の研究では、「利他的な人ほど、幸福度が高い」という調査結果も出ています。

 

人と助け合うことが、フィジー人の幸福度を高めるのに一役買っているのではないでしょうか?

 

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(お隣に醤油を借りる母ツポウさん。こうした光景は日常茶飯事)

 

2.空気は読まない、細かいことは気にしない

フィジーで暮らしていた時、いかに自分が日本で空気を読んでいたのかを思い知らされました。

 

「今この話をしていいかな」

「疲れたけど、帰るって言いづらいな・・・。」

「本当は食べたいけど、遠慮しとこう」

などなど。

 

空気を読む行為は日本では一般的ですが、フィジーでは空気を読むことが本当にばかばかしくなってきます。

 

あたまのアフロにペンをさして歩いていたり、

イヤホンで音楽を聴きながら歩いているのに、「ライター持ってへん?」と聞いてきたり、

 

基本的に何をするのも自由、細かいことは気にしない!

 

そんな価値観を持っている人が多い気がします。

 

f:id:wakuwakutomo:20180906221206j:plain(バスでお皿を広げて食事をする女性)

 

3.今を楽しむ国民性

 

フィジー人は今を楽しむことに長けている国民性だと思います。

 

例えば、リオオリンピックでラグビーフィジー代表が、決勝に進出した時、

決勝戦では銀行も業務を停止。笑

 

みんなで試合を見守りました。

(ちなみにフィジー代表はその後金メダルを獲得。歓喜のあまり、政府は7人制ラグビーにちなんだ7ドル札を発行しました…笑)

 

また、工事現場にはダンスをしながら車を誘導するおじさんがいたり。

 

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仕事中にカバ(フィジーの伝統飲料)を飲む人がいたりと、

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過去でもなく、未来でもなく「今」を大切に生きている人が多いです。

 

4.人類みな兄弟的な人間関係

 

またまたとある日。

僕はバヌアツの取材帰り、ナンディに着いたのは夜中でした。

 

家の鍵を持ってくるのを忘れた僕は、

ナンディにあるマクドナルドで夜を明かすことにしました。

 

しかしマクドナルドでチーズバーガーを頼んだ後に、

まさかのマクドナルドがその日は24時間営業ではなく、12時閉店ということが店員から告げられました。

 

「今日、どうやって夜過ごそう・・・。」

 

諦めてホテルを取ろうかと考えていた時、

マクドナルドの店員さんが話しかけてきました。

 

「日本人?どうしたの?」

 

「それが、カギを忘れて、家にはいれなくて・・・。」

 

「困ったわね・・・。良かったら家に泊まる?」

 

「ふぇっ!?」

 

 

軽すぎて、はじめは襲われるのかとびくびくしていましたが、

結局その人の家にお世話になることに。

 

温かい寝床を与えてくれ、次の日は朝ごはんも用意してくれていました。

 

いつもはのんびりと、マイペースなフィジー人ですが、

人とつながるスピードだけは光速です。

 

バスで隣の人に話しかけられたり、

通りすがりの人に「ライター貸して」と言われたり、

まさしく人類みな兄弟な価値観を体現している国だと感じました。

 

幸せの回答に「人」が多いのも、納得です。

 

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(家に泊めてくれた家族)

 

5.家族を大切にする文化

 

調査結果で最も多かった回答が「家族」。

 

フィジー人(フィジー系)はほとんどがキリスト教徒。

 

そのことから、家族や親せきとの関係をとても大切にします。

また家族の定義が広く、遠い親せきのことも「Family」と紹介します。

 

週末になると、家族で協会に行き、

少し贅沢なお昼ご飯を食べる。

 

お昼にはみんなで輪になってティータイムをします。

また、遠方から親せきがよく遊びに来たりもします。

 

キカウ家族のみんなに、

「来年から社会人になるから、実家を出て一人で暮らしていかなきゃいけない」と話したときに、ぽかーんとされたことがとても印象に残っています。

 

フィジーでは家族は一緒にいるべきもので、

その関係こそが、幸せなを作っている大きな要素なようです。

 

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(日曜日、伝統料理「ロボ」を作るキカウ家族)

 

6.幸せとは生きる目的そのもの

 インタビューをしていた時、

「あなたは今幸せですか?」と聞いていたのですが、

開口一番「Why not?(もちろん!)」と笑顔で返されました。

 

とある女性の回答で、

「幸せとは人生そのもの。幸せがないなんて、そんなの人生じゃない」という回答がありました。

 

フィジー人にとって幸せとは生きる目的そのものです。

 

幸せになるために生きているのですから、

細かいことは気にせず、また未来に不安を抱えるのでもなく、

 

今をみんなで手を取り合って幸せに生きています。

 

フィジー人はたくさん食べる人が多く、太っている人が多いのですが、

「健康に気を使わなけばいけないよ」というと、

 

「健康になるために生きているのではない」と返されました。

まあ、これはよくも悪くもですが・・・。

 

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(シンガトカのマーケットで声をかけてくれたおじちゃんたち)

 

フィジー生活を振り返って

 

いろいろとフィジー人の価値観や文化を紹介してきましたが、

フィジーで暮らした日々は僕にとって、本当に幸せな日々でした。

 

日本で過ごしている時、「人」が作る幸せを意識することなく生きてきましたが、

改めていかに人と過ごす時間が幸せかを痛感させられました。

 

人を大切に、持っているモノは分け与え、そして今を楽しむ。

 

それだけで幸福度は何倍にも膨れ上がりそうです。

 

みなさんもぜひ、南太平洋に浮かぶ、

幸せ先進国に足を運んでみては?

 

(了)

 

www.youtube.com

 

 

 

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廣瀬 智之(ひろせ ともゆき)

社会問題の解決を他人任せにしない世界へ。#新卒で社会起業家 に挑戦中。元開発メディアganas記者。「日本の社会・政治参加意識を高めるメディア事業」立ち上げ中です。

 

私立・公立高校やイベントで講演の依頼をいただいています。

これまでの取材写真や動画を用いて、社会問題、国際理解の講演を承っています。

 

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