社会問題が「他人事」にならない社会を僕は作りたい
はじめまして!廣瀬智之(24)と申します。
昨年大学を卒業し、「市民の力で変えていける社会」を体現するため、
Tomoshi Bito(ともしびと)という会社を2019年2月1日に立ち上げました。
今回事業を始めるにあたり、みなさまのお力をお借りしたく、自分の想いを記事にまとめました。
ぜひ最後まで読んで少しでもいいな!と思いましたら、お力を貸していただけないでしょうか?よろしくお願いします!
いきなりですが、僕にはとある夢があります。
それは「市民の力で変えていける社会」を作ること。
みんなで問題と向き合って、力を合わせて解決できる社会。
家族や友達だけじゃなくて、この時代に一緒に生きている「誰か」にも、みんなの優しさが届く社会になってほしいなと思っています。
「市民の力で変えていける社会を作る」と掲げるくらいですから、
何かしら社会問題がほっとかれているんじゃないの?どこかで他人事になっちゃってるんじゃないの?と思うところがあるということです。
そこで具体的に僕が解決したい問題が、国際的にも低いと言われている「日本の社会・政治参加意識」です。
実際のデータは後で紹介しますが、難しい話を抜きにしても日本では社会問題とか政治ってなんだか遠い存在に感じている人が多いように思います。
日本にも問題はたくさんあります。社会の問題を解決するには、政治やNPO、企業などの力も必要ですが、それらを動かす私たち一人ひとりの力が欠かせません。
Tomoshi Bitoを通じて、社会問題や政治と関わることが当たり前な社会を実現したいと考えています。
報道写真家志望から社会起業家志望へ
実は僕は大学4年になるまで、
ずっと報道写真家になりたいと考えていました。
カンボジアで知り合った子どもと
高校生の頃、開発途上国に関心を持った僕は、
大学生活を通して東南アジアやオセアニア、そしてアフリカの国々を旅してきました。
開発途上国の様々な問題を知る中で、「もっとこの問題を多くの人に伝えたい」と思うようになった僕は、
アルバイトで貯めたお金で一眼レフを買い、取材活動に取り組むようになりました。
取材したことはganasというメディアや、個人主催の写真展や講演会を通して発信していました。
私立高校での講演会
「大人になってもずっとジャーナリズムに携わりたい。」
そう考えていた自分に、ある転機が訪れました。
伝えるだけでは社会は変わらない…?
大学3年を修了した後、
僕は大学を休学し、大洋州の国々を取材していました。
その中で、「キリバス」という国に行ったことが、自分の考えを変える大きな転機になったのです。
満潮時に浸水するテピケニコーラ村の子どもたち
キリバスは南太平洋に浮かぶ小さな国で、
気候変動の影響により、早ければ30年後には沈んでしまうという予測も出ている国です。
約1カ月間の取材を終え、帰国したあと、
大阪や名古屋で写真展、講演会を開催しキリバスのことを発信していたのですが、
その中でふと、「一体今日本では、どれくらいの人が社会問題を自分事に捉え、解決したいと考えているんだろう?」という疑問が生まれました。
というのも、
自分の発信を受け取った人たちが、キリバスという縁もゆかりもない国の為に、生活スタイルを変えることがどうしても想像できなかったのです。
報道の役割は、今この社会で起きてることを世に伝えることです。その情報を元に行動する人がいて、初めて問題解決につながります。
でも一方で、その情報を受け取る人がいなければ、結果として意味のないものになってしまうのではないか?
そう感じた自分は日本の社会・政治意識を取り巻く状況を調べることにしました。
マラケイ島で一緒に過ごした家族
世界的に低い、日本の社会・政治参加意識
調べてみると、自分の疑問を確証づけるデータがたくさん出てきました。
例えば、選挙の投票率が低いのは皆さん既知の通りだと思います。
その他にも国際比較調査グループのISSPから以下のようなデータが出ています。
調査で指摘されているのは、日本の政治社会参加意識は「受動的」だということ。
デモを始めとする主体性を求められる行動になれば、参加する人の割合が著しく低下するという指摘です。
別の調査ではイギリス・韓国・日本の政治社会意識を比較しています。
国際的に比較した時に、日本の政治社会意識の低さを裏付けるデータはたくさんありました。
日本を取り巻く政治社会意識の状況を知ったとき、
自分がするべきことは、社会問題を発信することではなく、社会や政治に参加する人たちを増やすことだと思ったのです。
それ以降僕はジャーナリストを志すのではなく、社会起業家になるという道を歩み始めました。
事業を一緒に立ち上げた藤田一輝
社会を良くしたいという想いが集まるアプリ「Social Post」
ではどうやって問題を解決していくのか?
社会や政治の問題を自分事に捉え、能動的なアクションを起こせる人を増やすためのソリューションとして考えたのが、ニュースプラットフォーム「Social Post」です。
Social Postは、 社会を良くしたい、この問題を解決したいといった変えたい未来がある人が、社会的な情報をポスト(投稿)しあえるプラットフォーム型のニュースメディアです。
ポスト数を元に算出された注目記事はカテゴリー分けされ、ユーザー全員に届くようになっています。
「変えたい未来のある人」へ、厳選された有益な情報とともにアクションを起こすコミュニティを届けることがこのアプリの狙いです。
「社会・政治への参加意識が低い」
この問題を解決するために、どのような方法がいいのか。
このアイデアにたどり着くまでに本当に長い時間をかけました。
社会・政治参加というと、どうしても「無関心層をどう動かすか」に目がいきがちです。
色んな人の話を聞く中で、僕が感じたこと。
それは日本人は社会問題に「無関心」なのか?という疑問です。
日常的に社会的な行動を起こす人は少ないかもしれないし、
政治の話をする人も稀かもしれない。
でも表面には見えないだけで、
誰しもこの社会にもやもやすることってあるんじゃないかなと思うんです。
ある人にとってそれは、気候変動やごみ問題など環境にまつわることかもしれない。
また別の人にとっては、性犯罪やセクハラなどジェンダーにまつわることかもしれない。
分野は違えど、生きていればもやっとすることや、
もっとこうなればいいのにと思うことって普通にあるんじゃないかなと思います。
だとすればここで解決するべきは「意識はある」のに、それが「行動」につながっていないということではないでしょうか?
行動するには、問題の原因や動向、そして自分のできることを「知る」必要があります。
そして同じ社会を良くしたいという意思を持った人たちの仲間も必要です。
社会問題というと「意識が高い」と揶揄されたりすることもあります。
途方もない高い壁に挑もうとすると、心が折れそうになることもあるでしょう。
そういった時に、心の灯火を絶やさずに意思を持ち続けるのに必要なのは
同じ想いを持った同志だと思います。
社会課題に特化した情報と仲間が集まるプラットフォームがあれば、「意識はあるのに行動できない」という社会状況を変えられるのではないか?
そんな思いからこのアプリを始めました。
社会課題の未認知をなくすアプリ「Social Post」
Social Postはリリースしてからもうまもなく5カ月が経過します。
今では約1万人の方にダウンロードをしていただけるアプリとなりました。
今後もより多くの人にアプリを届ける一心で、チーム一同日々仕事に励んでいます。
まだまだ 「市民の力で変えていける社会」を体現するには程遠いところに位置しています。
しかしいつかこのアプリのユーザーが日本の10%、15%を占めるようになれば、
社会の空気感をまるっと変えて、「社会問題が他人事にならない社会をつくる」というビジョンが実現できると信じています。
社会問題に関心のあるみなさん。
ぜひ一緒にこのアプリを作っていっていただければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
アプリダウンロードはこちら▼
廣瀬 智之(ひろせ ともゆき)
社会問題の解決を他人任せにしない世界へ。#新卒で社会起業家 に挑戦中。元開発メディアganas記者。「日本の社会・政治参加意識を高めるメディア事業」立ち上げ中です。
私立・公立高校やイベントで講演の依頼をいただいています。
これまでの取材写真や動画を用いて、社会問題、国際理解の講演を承っています。
講演依頼はこちらから
tomoyukihirose1234@gmail.com
みんしゅしゅぎ ってなんだ
「選挙で意見を示しても、工事は止まらない。
だからこうして座り込むんです。
迷惑だという声もあるけれど、
だけど他にできることがない。
他に工事を止める方法があるなら教えてほしいんです。」
その日の辺野古は大雨が降っていて、
傘をさしていても濡れてしまうような天気だった。
辺野古の米軍基地、キャンプシュワブ。
僕がそこについた時には、もうすでに多くの人が集まっていた。
多くの人が年配のおじいさん、おばあさん。
中には県外からきた中高年の人。
そして報道関係者。海外のジャーナリスト。
毎日3回。
ダンプカーが工事現場に入るのを遅らせるために、
辺野古移設に反対している人たちが座り込みをしている。
座り込みで遅らせられるのは、およそ10~15分ほどだろう。
たったその数分にでも、身体を張って工事を止めようとするのは、
選挙で辺野古移設反対が過半数を超えても、工事が止まらないから。
工事車両がやってくると、
黒い服にサングラスをした機動隊が抗議者を囲んでいく。
「警告します。
皆さんが立っている場所、座り込んでいる場所は道路上です。
歩道に移動してください。道路をふさぐ行為は道路交通法に違反しています。」
メガホンを通して抗議者への警告が響く。
そして合図とともに機動隊による抗議者の排除が始まる。
座り込んでいた人を一人ひとり抱きかかえ、入り口を確保すると
大きなダンプカーが次々と基地内に入っていく。
その姿に「基地反対」のプラカードを掲げる。
こうした座り込みの行為には、
「座り込みは道路交通法違反だ!迷惑だ!」
という苦情が入る。
だけど、その法律ができたのも、
この国のルールである憲法があるからであって
その憲法で定められた国民主権がないがしろにされているから戦っている。
沖縄の声に寄り添うと、確かに政治家は言った。
それなのに、沖縄の声は無視され、工事は続けられる。
だからこそ止まらないと分かっていても、
こんな大雨の日も、抗議する人たちがいる。
なぜこの人たちは傷つかなければいけないんだろう
なぜ国防のために、この人たちの守りたいものを傷つけないといけないんだろう
そしてなぜこの行為を僕はただ黙って傍観することしかできないんだろう
民主主義ってなんだろう。
そんな答えのない問いが心に残る。
2014年11月に翁長さんが県知事に当選してから今日まで、
沖縄ではオール沖縄(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議)という政党が与党として県議会を運営している。
今年の9月の県知事選挙でも、
翁長元県知事の意思を継ぐ玉城デニーさんが当選。(過去最多得票数での当選だった)
そんなオール沖縄が掲げているポリシーは大きく2つだ。
ひとつは、オスプレイの配備撤回。
そしてふたつ目が、普天間基地の県内移設(辺野古新基地)の反対。
(ネットではまるでオール沖縄が、
沖縄からの基地全廃を掲げているようなミスリードをした意見もあるが、
普天間基地は沖縄の米軍基地のおよそ6%だ。)
デニーさんの当選によって引き続き、
「辺野古移設は反対」という沖縄県民の民意は示された。
それにも関わらず、
工事は止まらない。
「こどものとうひょう おとなのせんきょ」という本に、こんな文章がある。
.
.
.
みんしゅしゅぎは、いい ことを
みんなで きめるんだよな。
かずが おおいから、いいんじゃなくて、
たとえ、ひとりでも いい かんがえなら、
みんなで だいじにするのが、
みんしゅしゅぎの いい ところだろ。
それをまちがえると、かずが おおい やつが、
かってに いばったり、わるい ことを
しだすんだよな。
.
.
.
この国の民主主義ってなんだ。
まるで答えありきで進められていくこの社会に
僕たちはどう向き合っていくのだろう。
社会を作っているのは政治家でもなく、権力者でもなく
この社会に生きる僕たち一人ひとりだ。
沈黙することはマジョリティへの加担にしかならない。
まずは自分の意見を持つ人を増やすことが自分のすべきことだと、
そうはわかっていても
刻一刻と進んでいく社会の問題を前に、
無力さを感じずにはいられない。
全ての人に平和な朝を届けられる日がきますように。
僕はそのために残りの人生で何ができるだろう。
(了)
廣瀬 智之(ひろせ ともゆき)
社会問題の解決を他人任せにしない世界へ。#新卒で社会起業家 に挑戦中。元開発メディアganas記者。「日本の社会・政治参加意識を高めるメディア事業」立ち上げ中です。
私立・公立高校やイベントで講演の依頼をいただいています。
これまでの取材写真や動画を用いて、社会問題、国際理解の講演を承っています。
講演依頼はこちらから
tomoyukihirose1234@gmail.com
自分の意見を持つためのニュースアプリ「どっち?」は、立ち上げメンバーを募集します!
ボーダレス・グループに新たに誕生したTomoshi Bito(ともしびと)株式会社は、「日本人の政治・社会参加意識が低い」という問題を解決するために、立ち上がりました。
Tomoshi Bito事業の第一歩目として、社会の出来事に意見を持つためのニュースアプリ「どっち?(Docch)」を2月下旬にリリースします。
リリースにあたり、事業メンバーと一緒に「どっち?」を日本中に広め、自分の意見を持つ人を増やしていく「どっち?立ち上げメンバー」を募集します!
スマートフォンをお持ちの方であれば、誰でも参加することができますので、お気軽にご参加、お問い合わせください!
どっち?立ち上げに対する代表廣瀬智之の想いはこちら
https://www.borderless-japan.com/members/30234/
■募集する内容
どっち?コメンテーター
どっち?で配信される記事に対して、自分の意見を投稿する「どっち?コメンテーター」。たくさんのコメントが集まることで、どっちユーザーが意見を持つことに繋がります。
いいね!やなるほどね!が多くついたコメントは、どっち?公式Twitterで紹介していきます!
どっち?アンバサダー
どっち?に集まる意見や、投票結果のまとまったグラフをSNSでシェアをし、みんなの意見を集める「どっち?アンバサダー」。どっち?を通して多くの人に、意見を持つキッカケを提供します。
※どっち?立ち上げメンバーの方は、Facebookの非公開グループに招待いたします。
※ご応募いただき、必要事項を記入していただいた後、
■応募方法
応募される方は、
Facebookページ:どっち?‐みんなの意見が分かるニュース - ホーム | Facebook
もしくはTwitterダイレクトメッセージ:どっち?- みんなの意見が分かるニュース (@docchinfo) | Twitter
にてご連絡をお願いします。
■どっち?とは
どっち?は「誰もが社会の出来事に意見を持てる場を作る」ために設計されたニュースアプリです。
自分の意見を持つことは大切と分かってはいても、簡単なことではありません。
ゼロから知識をつけることは大変ですが、
色んな意見に触れ、共感できるものを取り入れることでも、自分の意見は作れます。
だから私たちは、みんなの意見を知ることができるニュースアプリを作りました。
今話題のニュースに対して、ユーザーが「賛成」「反対」「その他」の3択で意見を投票。手軽にみんなの視点を知ることができます。
どっち?の詳しい設計はこちらから
https://www.borderless-japan.com/members/30234/
どっち?のビジョンに共感してくださる方はもちろん、
社会に対して何かアクションを起こしたい方、
メディア運営に携わりたい方なども大歓迎です。
たくさんのご応募をお待ちしています!
「政治に無関心」とされる日本に、僕は「自分の意見を持つ習慣」を作りたい
はじめまして!廣瀬智之(24)と申します。
昨年大学を卒業し、社会問題を解決するソーシャルビジネスしかやらない会社、「ボーダレス・ジャパン」に入社をしました。
国際的にみても「日本の社会・政治参加意識が低い」という問題を解決するため、
Tomoshi Bito(ともしびと)という会社を2019年2月1日にスタートさせました。
今回事業を始めるにあたり、みなさまのお力をお借りしたく、自分の想いを記事にまとめました。
ぜひ最後まで読んで少しでもいいな!と思いましたら、お力を貸していただけないでしょうか?よろしくお願いします!
いきなりですが、僕にはとある夢があります。
それは社会問題が自分事になる社会を作ること。
みんなで問題と向き合って、力を合わせて解決できる社会。
家族や友達だけじゃなくて、この時代に一緒に生きている「誰か」にも、みんなの優しさが届く社会になってほしいなと思っています。
「社会問題が自分事になる社会を作る」と掲げるくらいですから、
何かしら社会問題がほっとかれているんじゃないの?どこかで他人事になっちゃってるんじゃないの?と思うところがあるということです。
そこで具体的に僕が解決したい問題が、国際的にも低いと言われている「日本の社会・政治参加意識」です。
実際のデータは後で紹介しますが、難しい話を抜きにしても日本では社会問題とか政治ってなんだか遠い存在に感じている人が多いように思います。
日本にも問題はたくさんあります。社会の問題を解決するには、政治やNPO、企業などの力も必要ですが、それらを動かす私たち一人ひとりの力が欠かせません。
Tomoshi Bitoという会社を通じて、社会問題や政治と関わることが当たり前な社会を実現したいと考えています。
報道写真家志望から社会起業家志望へ
実は僕は大学4年になるまで、
ずっと報道写真家になりたいと考えていました。
カンボジアで知り合った子どもと
高校生の頃、開発途上国に関心を持った僕は、
大学生活を通して東南アジアやオセアニア、そしてアフリカの国々を旅してきました。
開発途上国の様々な問題を知る中で、「もっとこの問題を多くの人に伝えたい」と思うようになった僕は、
アルバイトで貯めたお金で一眼レフを買い、取材活動に取り組むようになりました。
取材したことはganasというメディアや、個人主催の写真展や講演会を通して発信していました。
私立高校での講演会
「大人になってもずっとジャーナリズムに携わりたい。」
そう考えていた自分に、ある転機が訪れました。
伝えるだけでは社会は変わらない…?
大学3年を修了した後、
僕は大学を休学し、大洋州の国々を取材していました。
その中で、「キリバス」という国に行ったことが、自分の考えを変える大きな転機になったのです。
満潮時に浸水するテピケニコーラ村の子どもたち
キリバスは南太平洋に浮かぶ小さな国で、
気候変動の影響により、早ければ30年後には沈んでしまうという予測も出ている国です。
約1カ月間の取材を終え、帰国したあと、
大阪や名古屋で写真展、講演会を開催しキリバスのことを発信していたのですが、
その中でふと、「一体今日本では、どれくらいの人が社会問題を自分事に捉え、解決したいと考えているんだろう?」という疑問が生まれました。
というのも、
自分の発信を受け取った人たちが、キリバスという縁もゆかりもない国の為に、生活スタイルを変えることがどうしても想像できなかったのです。
報道の役割は、今この社会で起きてることを世に伝えることです。その情報を元に行動する人がいて、初めて問題解決につながります。
でも一方で、その情報を受け取る人がいなければ、結果として意味のないものになってしまうのではないか?
そう感じた自分は日本の社会・政治意識を取り巻く状況を調べることにしました。
マラケイ島で一緒に過ごした家族
世界的に低い、日本の社会・政治参加意識
調べてみると、自分の疑問を確証づけるデータがたくさん出てきました。
例えば、選挙の投票率が低いのは皆さん既知の通りだと思います。
その他にも国際比較調査グループのISSPから以下のようなデータが出ています。
調査で指摘されているのは、日本の政治社会参加意識は「受動的」だということ。
デモを始めとする主体性を求められる行動になれば、参加する人の割合が著しく低下するという指摘です。
別の調査ではイギリス・韓国・日本の政治社会意識を比較しています。
国際的に比較した時に、日本の政治社会意識の低さを裏付けるデータはたくさんありました。
日本を取り巻く政治社会意識の状況を知ったとき、
自分がするべきことは、社会問題を発信することではなく、社会や政治に参加する人たちを増やすことだと思ったのです。
それ以降僕はジャーナリストを志すのではなく、社会起業家になるという道を歩み始めました。
事業を一緒に立ち上げた藤田一輝
日本に必要なのは「自分の意見を持つ習慣」
と、これまでジャーナリスト志望だった自分が社会起業家として「社会・政治への参加意識を高める」ための事業をするに至った経緯をお話しましたが、
ここからは具体的にどうやってそれを実現するのか?についてです。
事業計画を考え始めたばかりの自分は、「世の中は社会問題や政治に無関心だ。だから関心を育む事業が必要だ!」と話していました。
だけど考えれば考えるほど「無関心」というやつは難しい。
よく「日本人(特に若者)は政治に無関心だ」なんて言われていますが、そもそも「無関心」とはなんでしょうか?
例えば、親に言われて仕方なしに選挙には参加している、という人は無関心でしょうか?
特に社会・政治的な行動はしないけど、ネットニュースは読んでいるという人はどうでしょう?
たくさんの人の話を聞き、考え抜いた末に僕は、多くの人が「無関心」ではなく、「自分の意見を持っていない状態」だと捉えなおしました。
要するに関心が全くないわけではない。だけど意見を持てるほどよく知らない、わからないという「未認知」の状態。
社会・政治的な行動をしている人は何か意見があるから行動をする。だとすれば意見がなのに、「選挙に行け」とか「社会貢献をしろ」というのは酷だと思いました。
まず自分が問題に対してどう思っているのか?が分かる必要がある。
だからこそ僕はこの問題を解決する押しポイントを「自分の意見を持つ習慣を作る」ことだと考えました。
自分の意見をつくる=他人の意見を知る
では、どうすれば「自分の意見を持つ習慣」を作れるんでしょうか。
良く知らないことに対して、意見を作るのはとても難しいことです。
色んな情報を調べないといけないでしょうし、賛成意見も反対意見も知ったうえで、意見を持ちたい。
僕は今ある程度社会問題や政治に対して自分の意見を持てるようになりましたが、そうなったのもここ1、2年の話です。
「もっと政治のことを知らなければ」そう考えていたころの自分を思いだしてみました。
僕が意見を持つためにやっていたことは、とにかく色んな意見を知るということでした。
他人の意見には自分になかった視点がたくさん詰まっています。
ゼロから意見を持てといわれると難しいですが、すでにある意見に対しては、
「これはなんだか共感できるぞ!」とか、「これはなんとなく、おかしくない?」などの、なんとなくの判断はできるんですよね。
要するに、他人の意見を知れば知るほど、自分の意見が分かるようになってきたのです。
この体験から、みんなの意見が分かるニュースアプリがあれば、ニュースを見るついでに自分の意見を持つ習慣を作ることができるのでは!と思い立ちました。
ボーダレス・ジャパン福岡オフィスにて
みんなの意見が分かるニュースアプリ
そこでもう間もなく、リリースしようとしているのが、みんなの意見が分かるニュースアプリ「どっち?」です!!
「どっち?」はニュースを読みながら、多くの人の意見を知ることができる、「みんなの意見が分かる」ニュースアプリです!
まずどっち?では「みんなどう思ってるんだろう?」と気になるニュースを、
編集部が選択して配信します。
そして各ニュースに対して、編集部から議論をするトピックを立てます。
そのトピックに対して「賛成」「反対」「その他」の三択でユーザーが投票、意見を書くことができる人はコメントを投稿します。
それらのコメントが集約され、アプリ上で様々な意見を知ることができるのです!
みんなの投票結果は集計され、グラフとして表示されるので、世の中の人がどう思ってるのかを相対的に知ることもできます。
今後どっち?のユーザーが増えれば、スタディツアーや政治イベントを企画して、どっち?を通して行動の枠組みも提供したいと考えています。
自分の意見を持った先の行動まで、このアプリで実現をしたいのです!!
学生時代実施したカンボジアスタディツアー
この構想は自分たちだけでは実現できない
今僕は藤田一輝という、中学のころからの友人とこのテーマを追っていますが、僕たち2人だけではこの構想は絶対に実現できません。
この構想になくてはならない、必要不可欠なもの。それが、アプリに参加してくれる人たちです。
たくさんの人がコメントを投稿してくれないと、他の人が意見を持つことには繋がりません。
だからこそ、みなさんの力が必要なんです。
みなさん、どうか力を貸してください。
社会や政治に対して、多くの知識を持ってる方をたくさん知っています。
自分の意見を持って、それを発信している人もたくさん知っています。
どうか皆さんの持っている意見を、
他の誰かが意見を持つために投稿していただけないでしょうか?
僕たちが掲げている「 社会問題が自分事になる社会」というビジョンは、
もしかすると綺麗ごとに思われるかもしれませんし、そう簡単に実現できるものではないことも分かります。
だけど、生まれた場所とか、偶然によって社会問題を背負って…ってそんな社会やっぱりおかしいと思うんです。
そんな社会、次の世代に残したくなくないですか?
政治や社会の出来事がもっと自分事になって、行動する人が増えれば、解決される問題は絶対に増えていきます。
この社会を作っているのは政治家でもなくて、お金持ちでも、会社でもなくて僕たち自身なんです。
そのためには、まず自分の意見を持ってもらうことが大事なんです。
日本社会のみなさん自身の手で、理想の社会を作っていくために、一緒にこのアプリを作っていっていただければ嬉しいです。
1.コメント隊
毎日更新される記事に対して、「賛成」「反対」「その他」の三択で意見を投票し、併せてコメントを投稿する人を募集しています。
2.投票隊
毎日更新される記事に対して、「賛成」「反対」「その他」の三択で意見を投票、SNSに投稿する人を募集しています。
協力していただける方、またお問い合わせは、
※アプリはiOSから2月頭、androidからは2月中の配信を予定しています。
配信が開始されましたらお知らせいたしますので、もう少々お待ちください。
廣瀬 智之(ひろせ ともゆき)
社会問題の解決を他人任せにしない世界へ。#新卒で社会起業家 に挑戦中。元開発メディアganas記者。「日本の社会・政治参加意識を高めるメディア事業」立ち上げ中です。
私立・公立高校やイベントで講演の依頼をいただいています。
これまでの取材写真や動画を用いて、社会問題、国際理解の講演を承っています。
講演依頼はこちらから
tomoyukihirose1234@gmail.com
途上国で暮らした僕が「国際理解教育」を通して、日本の子どもたちに伝えたいこと
これまでアジアや大洋州の開発途上国を旅し、
そこで生きる人たちの写真を撮りながら、ともに暮してきました。
今では僕の活動を知ってくださった学校の先生方から、
国際理解教育の一環として学校に呼んでくださるようになりました。
今回の記事は僕がいつもどのような授業をしているのかを、
少しだけお伝えできればと思います。
途上国の「暗い面」から学ぶこと
授業は大きく分けて、途上国の暗い面と明るい面双方から私たちが学べることを伝えています。
まずは「暗い面」。どのようなことを伝えているかをご紹介します。
1.キリバスから学ぶ、社会問題と日本人の関係
30年後は海に沈んでいるかもしれない。
そんな予測もされている南太平洋に位置する「キリバス」。
キリバスは気候変動による海面上昇の影響を受けています。
気候変動を引き起こしている要因の一つに、「温室効果ガスの過剰排出」があります。
世界的にも有数の経済大国である日本も切っても切れないこの問題。
私たちの豊かな暮らしが、遠く離れたキリバスの国を奪おうとしているとも言えます。
私たちの社会は思っているより、グローバルなものになっています。
私たちが着ている服をみても、
食べ物を見ても、外国から輸入しているもので溢れています。
知らない間に私たちの暮らしは諸外国と結びついているのです。
その経済活動の裏で、引き起こされている社会問題はたくさんあります。
世界で起きている問題も、他人事ではない。
そんなことを感じてもらうために、キリバスのお話をしています。
2.ルワンダから学ぶ、大量虐殺と差別の問題
1994年。ルワンダで大量虐殺が起きました。
100日間で80万人のツチ族が殺されてしまったのです。
私は虐殺があった跡地に足を運びました。
ここで注目すべき点は、大量虐殺はいきなり起きるものではなく、
すべては差別偏見から始まっているという点です。
それが「ヘイトのピラミッド」と呼ばれる概念。
大量虐殺と聞くと、日本は無関係と思われがちですが、
日本にもたくさんの差別や偏見があります。
自分たちの暮らしに存在する「差別」をほっといてはいけない。
そんな社会的な正義について学んでもらっています。
3.カンボジアの地雷から学ぶ、戦争が後世に遺すもの
カンボジアは1970年から1993年まで続いた内戦の影響で、
今もなお推定400万個~600万個の地雷が埋まっています。
実際に地雷原の現場にも足を運んでいます。
内戦が終わり、一見復興したかのように見えるカンボジアですが、
まだ内戦の負の遺産は残り続けています。
地雷原に生きる人たちの姿を知ることで、
戦争が後世に何を残すのかを知ってもらいたいと考えています。
途上国の「明るい面」から学ぶこと
次に途上国の明るい面から学べることです。
途上国と聞くとどうしてもマイナスなイメージを持たれがちですが、
日本人が途上国から学べることはたくさんあります。
その一部を紹介していきます。
1.ウガンダから学ぶ「見知らぬ人を助ける文化」
皆さんは過去一か月の間に、見知らぬ困っている人を助けましたか?
この質問は、世界139カ国で実施されている
「世界寄付指数ランキング」の質問項目の一つです。
2017年版ではウガンダが世界第8位にランクイン。
世界で8番目に「見知らぬ人を助けているのが多い国」になりました。
一方、同調査で日本が何位なのか、皆さんはご存知でしょうか?
日本の順位は139カ国中、135位。
見知らぬ人を助けたのはわずか23%にとどまりました。
この調査を、視覚的に面白く伝えるために、
ウガンダで取材映像を作成しています。
「日本人は親切で優しい」。
そんな通説のある今、改めて自分たちの暮らしを見つめなおすきかっけにしてもらいたく、この映像を見せています。
特に都市部では、人の繋がりが希薄化し、
誰か知らない人に頼るということが少なくなってきているのではないでしょうか?
本当に日本が見知らぬ人に冷たい国なのか?と問われれば、
僕はあまりそうは思っていませんが、
自分の持っている常識を疑うことに意味があると考えています。
2.フィジーから学ぶ、幸せの価値観
皆さんにとって幸せとは何ですか?
そう聞かれて、あなたはすぐに答えられますか?
同じ質問を南太平洋に浮かぶ小国、「フィジー」で、
100人にインタビューしました。
なぜフィジーなのか?
実はフィジーは世界幸福度調査でこれまで何度も1位を獲得している「幸せ先進国」だったのです。
そこでインタビュー調査をしたら、どんな結果がでると思いますか?
もっとも多かった回答が「家族」。
そして実に61人のもの人が、「人」に関する回答をしました。
さらにお金やモノに関する回答をした人は一人もいなかったのです。
同調査で日本は世界18位。
このことには驚く生徒が多いようで、
授業後にいただくレポートにはいつもフィジーの動画に関する感想を多くいただきます。
この動画を見せるのは、ウガンダと同じく、
当たり前を疑ってほしいという想いからです。
日本の子どもたちは想像以上に何かに縛られています。
そして「こう生きなければいけない」という見えない社会の重圧がかかっています。
でも本当は価値観なんて多種多様なものであって、
ふと外(外国)を除けば、フィジーのような身近な幸せを本気で大切にしている人たちもいるわけです。
人の数だけ価値観があって、人の数だけ幸せがある。
そのことを知ってもらうためにも、日本では得られにくい気付きを与える必要があります。
まとめ
日本のここがすごい!日本人は世界的にも優秀だ!
日本の技術や文化は優れている!
こういった言葉をテレビやネットで頻繁に見るようになったのは、
いつ頃からでしょうか?
もちろん僕も日本が好きだし、
日本の文化や日本人は素晴らしいところをたくさん持っていることは知っています。
でもそれは、「日本は」ではなく、「日本も」。
日本も素晴らしい国であるし、
一方で世界にも素晴らしい国で溢れていることを忘れてはいけません。
他国との違いを優劣で測るのではなく、
互いの違いを認め合い、尊重し合うことが求められます。
途上国というワードはどうしても「貧困」や「紛争」などの暗い面を想像させてしまいます。
もちろん途上国の抱えている問題に目を向けることも大切ですが、
それと同時に途上国から学べることにも目を向けてほしい、それが僕の想いです。
決して先進国が上で、途上国が下の関係ではありません。
そのことを理解してもらうために、「暗い面」と「明るい面」双方にフォーカスを充てて、授業をしています。
ご依頼があれば、学校に伺いますのでお気軽にご連絡ください。
今回はここまで
(了)
廣瀬 智之(ひろせ ともゆき)
社会問題の解決を他人任せにしない世界へ。#新卒で社会起業家 に挑戦中。元開発メディアganas記者。「日本の社会・政治参加意識を高めるメディア事業」立ち上げ中です。
▼廣瀬智之ってどんな人?
私立・公立高校やイベントで講演の依頼をいただいています。
これまでの取材写真や動画を用いて、社会問題、国際理解の講演を承っています。
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